半熟cherryⅡ
………………はずだった。
茜の唇に触れるか触れないか。
あと数センチ。
「……はい、ストーップ!!」
肩を捕まれ“グイッ”っと茜から離される。
…と、同時に。
背後から聞こえるため息混じりの悪魔のような声。
「…茜…。
逢沢クン、保健室にいるとは言ったけど。
“盛っていい”なんて言ってないわよ?」
……なんなの?
このタイミングのよさ……。
運悪く。
涼真と一美センセイが戻ってきてた。
……全ッ然気付かなかった。
「俺と一美センセーだからよかったケド。
他のヤツだったら言い訳できねぇだろーが」
涼真の眉間にはシワが寄っていた。
『「…はい、ゴメンナサイ…」』
中途半端なキス未遂。
茜の頬は。
若干赤く染まっていた。