半熟cherryⅡ
chapter:04
週に何回か届く。
嬉しくもない舞浜からのラブレターにも飽きてきた。
中身は決まって写真。
代わり映えのない放課後の写真。
教室でアツシやケンチャンと騒いで。
放課後涼真と保健室に寄って。
普段と何も変わらない。
そんな普通の週末の出来事。
「あ、いいところにいた!!」
放課後。
“パーッと騒ぐか!!”
部活が休みのアツシ、ケンチャンに誘われて。
遊びに行こうとしていた俺たち。
階段を降りようとしたトキ。
後ろから声をかけてきた人間がいた。
…その声を。
間違えるワケがない。
「茜チャンじゃん。どしたの?」
先に振り返ったケンチャンが言う。
「忙しい?!」
「これから騒ぎに行く!!」
アツシがマイクを持つジェスチャーをした。
それを見た茜が。
顔の目の前で“パンッ”とイイ音をたてて手を合わせた。
「ちょっと手伝ってくれない?!」
切羽詰まったような茜の声。
…なぁ〜んか。
イヤな予感……。