半熟cherryⅡ
「…なッ?!」
茜が小さく声を上げて。
俺の方を向く。
『…なんデスか?』
俺。
知らん顔。
「……なんでもない、デス……」
…なんでもないワケない。
だって、俺。
茜の脇腹突っついたんだから。
寸止めくってから触れてナイんだから。
このぐらいカワイイもんデショ?
なんて思いながら。
脇腹突っついたり、撫でたり。
…調子に乗って太ももに触れようとしたら。
「………ッ…」
小さく声を洩らし。
顔を赤くしながら涙目で俺を睨んできた。
『…ッ?!』
茜サン。
その涙目、反則だから。
そんな顔されたら。
俺、止まらなくなりマスよ?
今すぐここから茜を連れ出したい衝動に駆られたケド。
…自分で始めたコトだしな…。
これ以上茜に反則技を使われる前に。
手元のプリントの束に意識を集中させた。