半熟cherryⅡ

「…なッ?!」

茜が小さく声を上げて。

俺の方を向く。



『…なんデスか?』



俺。

知らん顔。



「……なんでもない、デス……」




…なんでもないワケない。



だって、俺。

茜の脇腹突っついたんだから。



寸止めくってから触れてナイんだから。

このぐらいカワイイもんデショ?



なんて思いながら。

脇腹突っついたり、撫でたり。

…調子に乗って太ももに触れようとしたら。





「………ッ…」





小さく声を洩らし。

顔を赤くしながら涙目で俺を睨んできた。





『…ッ?!』



茜サン。

その涙目、反則だから。



そんな顔されたら。

俺、止まらなくなりマスよ?



今すぐここから茜を連れ出したい衝動に駆られたケド。



…自分で始めたコトだしな…。



これ以上茜に反則技を使われる前に。

手元のプリントの束に意識を集中させた。



 

< 76 / 280 >

この作品をシェア

pagetop