半熟cherryⅡ
学校から家までは。
電車で2区間。
そんなに遠くはないけど、近くもない。
しかもこの時間。
半端なく混むんデスよ…。
だから茜の申し出はありがたく受け取ることにした。
『でもさ〜、学校から生徒乗っけて帰ったらマズくねぇの?』
「教頭先生に許可もらったから大丈夫だよ」
…茜にしちゃ珍しく先回りの行動だな。
感心、感心。
「じゃ、帰りますか〜♪」
運転席には茜。
後部席には俺と涼真。
車は走りだした。
茜の車は黒の1BOX。
小さいクセにデカい車乗ってんだな…。
俺らが乗ってる後部席は。
本来3列あるシートを倒して広く使われている。
こんだけスペースあればやりたい放題だよな…。
さっきの“涙目”が後引いて。
俺の脳内を妖しい茜が占拠していく。
…当たり前だけど。
車の中は茜のイイ匂いがして。
余計にいかがわしい妄想が膨らんでいく。