アイドル様と☆甘きゅんラブ【完】
「な……。
なんにも……ないですよ」


そんな言葉を、瑞貴サマの目を見ることなく早口で言った。


「陽ちゃんは。
あたしと瑞貴サマを会わせてくれようとしただけで……」


「…………」


「あたしが今泣いているのは……。
久しぶりに、瑞貴サマに会えてうれしいからです」


こんな嘘。


瑞貴サマに通用するなんて、思ってないけど。


「でも、もう会えたから。
ぶ……部外者は、帰ります」


柊真の突き刺さるような視線から早く逃げたかった。
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