アイドル様と☆甘きゅんラブ【完】
振り返ったあたしを見つめる柊真の瞳が、あまりにも切なそうだったから。


「なんだよ、おまえ。
何の……用だよ……」


いつもはキレイな低い声が、かすれている。


「今の話。
聞いてないよな?」


苦しそうに、そう搾り出してから、唇をかみしめる。


いつもは、生意気で傲慢な柊真の、こんな顔を見せられたら……。


「き、聞いてない……」


って、顔を左右に振るしかない。


でも……。


そんなあたしの優しさは、雪奈さんのひとことでぶっ飛んだ。

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