アイドル様と☆甘きゅんラブ【完】
その数十秒後。


「ほんと、呆れる。
バカすぎるわよね、ウチの弟」


そんな言葉とともに、雪奈さんが廊下を歩いてやってきた。


「みすみす好きな女の子を逃すとか。
どうかしてるとしか考えられない」


あたしの真ん前にやってきて、あたしの腕をクイっと引っ張る。


「でも、それが。
あの子のいいところかもしれないわね」


あたしを立たせてから、雪奈さんは大きなため息をついた。


「だって、今は。
美桜ちゃん、瑞貴の彼女だもの。
大事なメンバーを裏切るわけにはいかないわよね」


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