アイドル様と☆甘きゅんラブ【完】
だから、もう、さっきの“お願い事は――…”


――忘れてください。


そう言おうとしたあたしの口にそっと当てられる、細くて長い指。


そんなこと、言わせないよ?――とでも言うべき瑞貴サマの行動に、もう、恥ずかしさのMAXで――…。


「…っ…」


思わず息をのんだあたしに


「あれ?
美桜ちゃん、泣いてるの?
どうして?」


少し首をかしげた瑞貴サマが、あたしの唇にあてていた指を目尻にあてた。

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