♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「貧血かしらね…
しばらく保健室で休んでたら?」

救護テントで、忙しそうに怪我人の手当てをしている保健の先生。

血相を変えて駆け込んだあたしたちを見ても、落ち着いた対応だ。



「その暑苦しい服脱いだら…?
あと水分補給もしっかりね」

「はい…」

萌を抱えた瀬戸内と一緒に保健室へ向かう。

グラウンドから少し離れた保健室は、かなり静かだ。

あたしたち以外には誰もいない。



「俺、白川さんの荷物取ってくるわ…
牧村はその学ランなんとかして」

ベッドに萌の体を横にすると、瀬戸内は廊下へ出ていく。

「わかった…」

あたしはベッドの周りのカーテンを閉めて、きっちりとめられた萌の学ランのボタンを外した。
< 114 / 298 >

この作品をシェア

pagetop