♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「美月…?」

萌の長いまつげが微かに動いた。

ゆっくり目を開いて、自分の居場所を確認する。



「保健室だよ。瀬戸内が運んでくれた…」

「瀬戸内くんが…?」

萌は、かすれた声で弱々しく聞いてくる。



「うん…あいつ、今萌の荷物取りにいってるから」

「ありがと…
あたし、自分の荷物美月の席に置いちゃた。瀬戸内くん、わかるかな?」

ベッドに両手をついて、起き上がろうとする萌。



「あたし、探してくるから。萌はゆっくり休んでて!」

萌に布団をかけると、あたしも瀬戸内を追いかけて教室へ向かった。
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