♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「避けてるわけじゃ…」

ベルトで固定したズボンは、意外とすんなり脱げた。

両足をそろえて、上着と一緒に机に置いた。



「そっか…」

瀬戸内が寄りかかってる机がカタンと音を立てる。

瀬戸内は机から離れて、こっちに振り返った。



「なんとなく、牧村の様子おかしい気がしただけ…」

「そんなわけないじゃん」

久しぶりに正面から瀬戸内と向き合う。

瀬戸内は、あたしの方へ歩いてくる。

あたしの前まで来ると、ピタリと立ち止まる瀬戸内。

あたしは、机の上にあった学生服を両手で持ち上げた。



「これ…ありがと」

あたしの声は、少し緊張している感じがした。
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