♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「ちゃんと座ってないと、危ないよ」

あたしのことを子ども扱いするな…

あたしは座り直すと、窓の外へ視線を投げた。



向こうの観覧車では、楽しそうに会話している萌の後ろ姿。

その向かいに座る瀬戸内は、時々笑顔を見せている。



「そこは、否定しないんだね」

「何…?」

不機嫌全開で、彩木に視線を戻すあたし。



「牧村さんは、瀬戸内が好きだってこと…」

「そんなん知るか!」

あたしはほおづえをついて、また窓のほうを向いた。
< 144 / 298 >

この作品をシェア

pagetop