♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「牧村さんのこと、ずっと見てたから」

あたしは、彩木の視線を受け止める。

まっすぐな視線に、返す言葉が見つからなかった。



「俺は、牧村さんが好きだよ」

駄目だ…

ケンカ腰でいこうと思ったのに、何も言えない。



「あたしは…」

それだけ言って、うつむくあたし。

なぜか心臓がどんどん早くなっていく。



どうしよ…

早く逃げ出したい。

この狭い空間に広がる沈黙に、押しつぶされそうだ。
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