♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「萌…」

大きな黒い瞳が、あたしを見つめる。

「先生来ちゃうよ」

「うん」

あたしはうつむいて答えた。



「どうしたの、美月?
なんか元気ないね…」

「そんなことないよ」

なんとか笑顔を作ろうとするあたし。



「何かあったの…?」

心配そうにあたしをのぞきこむ萌。

親友に嘘はつきたくない。

でも…

あたしはフェンスに寄りかかって、空を見上げた。
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