♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
恐る恐る顔を上げる。

思い切って、顔だけ後ろに向けた。



「………」

黒髪に隠れた鋭い目があたしを捕らえる。

男子寮長、瀬戸内貴斗(セトウチ タカト)

黒い瞳が、あたしの全身を確認する。

もう一度まばたきすると、何もなかったように視線をそらした。



「ちょっと、あんた…」

何、その態度…

あたしがこの世に存在しないみたいなノーリアクション。



「何…?」

またその目が、あたしに向けられる。

もしかして、こいつ…
昨日のこと覚えてないとか?
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