♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「牧村」

「はい…」

あたしは、胸にあてた自分の手をギュッと握った。

まだ息が苦しい…

瀬戸内の視線に、体が震えそうだ。

あたしは、自分の手を強く握って、なんとか自分を保とうとしていた。



瀬戸内が、あたしに近づいてくる。

やっぱり瀬戸内の顔は見れなくて、下を向く。

静かな教室で、自分の心臓の音だけが聴こえる。



「牧村、顔上げて…」

恐る恐る顔を上げるあたし。

なんかよくわかんないけど、涙目になってきた。
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