♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「あたしなんかほっといて、萌のとこに行ったら?」

冷たく言って、視線を上げる。



「あたし、そんなに弱くないし」

あいつに同情なんかされたくない。

泣いてたのがバレないように、淡々と言葉を続ける。

「あんたなんか、いなくても全然平気なんだから」



「いいから、こっち向けよ…このバカ」

少し間をあけて、瀬戸内の声が飛んでくる。

あたしは、こんなに無理してるのに…

なんで、あいつは余裕かましていられるの?



「あんたにバカって言われる筋合いないし。あたしのこと、わかってないくせに…」

肩を落として、小さくつぶやくあたし。

あたしは、空を見上げてまばたきしてから振り返る。



「瀬戸内のバカ…
あんたなんか大嫌い」

瀬戸内と向き合った時、あたしの目から涙がこぼれ落ちた。
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