♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「無理なんか…」

あたしの声が震える。

あたしは、言葉を止めて唇をかみしめた。

「お前はこれだから…」

あたしの頬に、手を当てる瀬戸内。

「ほっとけるわけないだろ」

あたしの頬をつたう涙を、親指でそっとぬぐった。

あたしは、ふてくされた顔をして恥ずかしいのを隠す。



「いつも一人で強がってるくせに…

どうしようもなくなったら、こんなふうに泣くのな」

あたしの目をまっすぐ見て、微笑む瀬戸内。



「どうして、そんな無理すんの?」

「だって…」

涙目のまま、瀬戸内を見上げるあたし。

瀬戸内の優しい目に、胸がギュッとなる。

あたしは、やっぱり彼のことが大好きだ。
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