♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「あんた…」

こんなセリフ、言われたことない。

瀬戸内の視線と言葉にドキドキして、彼を見つめるだけで精一杯だ。

瀬戸内は、目をそらさずまっすぐあたしを見下ろしている。

恥ずかしすぎて、何も言えなくなってしまった。



「俺は…お前のことが好きだ」

瀬戸内の鋭い視線が、あたしをつらぬく。

動揺して、固まるあたし。



まだ言葉の意味が理解できない…

呆然と立ちつくすあたしの頬を、瀬戸内は両手で包む。

無防備に開かれたままの唇が、強引にふさがれた。
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