七色のクレヨン


にこにこして見つめてくるから、
冷やかしだと思って

「別に」

と、答えた。


それからしばらく声が聞こえなかった。

やっぱり..
と思い目をノートに戻した。

だけど、私の顔は再び男子に向けられた。
「俺、愛斗って言うんだ。お前は?」

相変わらずの笑顔を私に向けていた。
「……結花」
ぼそっと返答した。

この人はどこか周りの人と違うかな。
そう感じさせる笑顔だった。



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