夢のヒーロー
「いやぁ、ホントに悪いと思ってるよ。僕が悪かった。ごめん」


まだ眠っている頭をフル活動させ、いまの自分の精一杯の気持ちを伝えた。

綾香はハヤトを完全に無視している。こうなると綾香は無視し続ける、頑固な性格なのだ。


「ホントに悪かったって」

ハヤトがそう言うと、綾香はスッとハヤトの方を向いた。


「あんた、いっつもそうじゃん!私いつも我慢してるのわかってんの!?一回でも私のこと迎えにきたことある?ノートだって私のばっかり写してるし、私が泣いてたときだって知らないフリしてた。もっと相手のこと考えなさいよ!!」


静かな教室に綾香の声が響き、他の生徒たちの視線が綾香に突き刺さる。

綾香はそんなこと気にはしていないが、何故かハヤトが恥ずかしい。



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