夢のヒーロー
「夢の中でも痛みって感じるんだぁ・・・って、んなわけあるかぁーい!」


少年は少女に鋭いツッコミを入れたが、少女は無表情のまま軽く首を横に振り、言った。


「いえ、夢の中でも痛みは感じるものよ?ところで、あなたの名前は?」


無表情の少女に少し困りながらも、少し胸をはりながら少年は答えた。


「僕?僕の名前は『長谷川ハヤト』っていうんだ。ちなみに、中学3年生。キミは?」


ハヤトは逆に聞き返した。が、少女は首を傾げ更に質問してきた。


「ちゅうがくさんねんせい?それなに?」


「えっ?冗談だよね?」

ハヤトの言いぐさに少し腹を立てたのか、少女はムッとほっぺたを膨らませた。


その瞬間。途端に、突然緑の景色が消え去り、なにも無い漆黒の景色がハヤトの目の前に広がる。

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