夢のヒーロー
そこはまるで、黒色のクレヨンで画用紙を真っ黒に塗ったような景色。


辺りを見渡しても、何ひとつない。先ほどの緑の世界の面影さえもない。

ハヤトは先ほどの少女を探した。しかし、上下左右どこを見渡しても黒色の世界があるだけ。


その時だった。



――ハヤト

少女の声が一瞬だが聞こえたような気がしたハヤトは、再度、辺りを見渡した。しかし、やはり誰もいない。


―――ハヤト

「いや、確かに聞こえる」

しかし、やはり誰もいない。


―――ハヤト


―――ハヤト


―――ハヤト


「ハヤト、起きなさい!!もう朝よ!」
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