恋のベクトル。
巨人、走る!
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「おい巨人!!」
何だ、誰だ巨人て言った奴。
そう思いながら声の主を探す。
「…げっ高梨」
声の主はクラスマッチ実行委員の高梨で
ずばり自分を呼んでいた。
―嫌な予感しかしない。
最初は「高梨君」とか他人行儀に
呼んでいたけどあっちから
「おい巨人」と呼ばれた時から
即呼び捨て決定と決めた高梨。
話す度「巨人」やら「でかい」やら
「男みたい」など失礼にも程がある。
確かに背も(女子では)高い方で
ショートヘアーだから男らしく見える
かもしれないけど…
――言われる側にもなって
みろっつうの。