A Time Limit




夢を見た。


『こんなところで寝て
風邪なんて引いちゃったら明日の卒業式で後悔しちゃうぞ
…お姫様』




優しさのベールに包まれた王子様が私に向かってそんなことを言ってる。



そして微笑む王子様。




まるでお日様みたいに温かい笑み。





――ふわっ




私の髪に花を挿した王子様。




なんだろう




すごく…いい香りがする。




花からはもちろんのこと、王子様からも。







……………………






ぱちくり。




え、なんすか今の夢。




私も乙女になっちゃったなぁ、なんて思いながら髪を手グシでとこうとする。




―サワっ




んぁ?




なにか柔らかいものが手に触れた。




何だろうと思って髪についている柔らかいものを手に取り見てみると……





花だった。





そう、夢に出てきた王子様が私にくれた花。





これはなんてこった。




どうやら夢じゃなかったらしい。



現実に言われた言葉。
現実に挿された花。




じゃあ……



あの王子様は誰なの??



私のこの思い出の木に登ってたってことだよね?




………って。
私普通にパンツ見えてるし。




うわ……最悪じゃん!!


てかそれこそ寝込み襲われなくてよかったぁ~♪




じゃなくて!




この時間にいたってことは、3年生だよ…ね?








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