A Time Limit
ふぅ、とため息をついたまさにその時、突然強い風が吹いた。
がっしりした大木にいるはずなのに、そのときだけはなぜか大きくゆらゆらと揺さぶられた。
『やばっ…落とされる……っ』
そう思ったときにはもう遅かった。
絶対地面にぶつかる、そう考えたらなんだか急にすごく怖くなったから堅く目を瞑った。
―とさっ
『まだ死にたくないぃ………っ…?…
…痛くな…い…?』
「空って雨とか雪じゃなくて女の子も落とせるんだ…?
…びっくりした」
頭の上から声が降ってきた。
目を開けて…というよりも目を見開いて頭上の声の主を見上げる。
『まぶしっ……』
がしかし、逆光のためよく見えない。
―ひょいッすとん
私は持ち上げられて地面に下ろされた。
って、え?
『持ち上げられた』?
これってもしかして、
=お姫様だっこ?!