A Time Limit
「私が聞いてるのはそんなことじゃなくて!………」
思わず興奮した口調でそう言ってしまう。
「照れちゃったの?」
にこにこのスマイルで頭を撫でられた。
その手を振り払うと、私は吐き捨てた。
「だから、その……
3年…だよね…?」
「ぷっ…あはは!
俺のこの格好とバッジ見ればわかるじゃん!
やっぱ思ってた通りだ。
君面白すぎだよ、杏里ちゃん」
たしかに“変態”はうちの学校の制服を着ていて、3学年の校章のバッジの色―――赤色のバッジをしている。
あれ、今名前……?
「変態、私のこと知ってるの?」
「その“変態”て俺のこと…?」
「あっ…ごめんなさい!
つい…」
やばっ。ついつい口を滑らせてしまった……。
「ふふ……まぁいんだけどね。
杏里ちゃんは俺らの学年で普通に人気だったじゃん。
だから知らない人はいないんじゃないかな」
ちょっと恥ずかしい。
でもま、いろいろな意味で目立ってたし?
しょうがないって言えばしょうがないことなのかな?