A Time Limit




まだ会ってから間もない他人とショッピング的なことをするのは少々気が引けたが、この人なら下心なさそうだなって思えた。









『まぁ仮にも同じ学校だった……らしいし…ね』









それから私たちはガラス館や色々なお店を見て回った。










ペアで作る体験コーナーに差し掛かかり、受付の名簿に名前を書くときに改めて思い出したことがあった。










「あっねぇ……
えと、大変言いづらいんだけど……
あなたの名前は?」










そう、私は肝心な名前をまだ聞いていなかったのだ。
たしかあのとき、クラス聞いてはぐらかされたからその他はどうでもよくなっちゃったような気が…しなくもない。









私は基本、ひとつの質問をそらされるとやる気がダウンしてしまう生き物なのである。










「千里。」










「チサト…?」









「そう。千の里って書くんだ。
女の子の名前みたいであんまり気に入ってないけどね」









ちょっと切なそうに笑うから、私は思わずフォローした。









「そんなことないよ。
すごく……すごくお似合いだよ。
あなたにぴったりの名前だと思う」










「ははっ…ありがとう。
杏里ちゃん」









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