A Time Limit




「なんだよ~先生まで、父さんや母さんと同じようなこと言ってさぁ。
俺ってそんな頭悪そうに見えるの?」










おどけてみる俺。
みんながなんでそう大袈裟に言うのかぐらい俺だってわかってるよ。










当初は高校3年間のうちいずれかで発症してしまうと言われていたから………俺のこの病気がさ。
もしそうなって、停学にして入院なんてしてしまったら一生に一度の高校生活が台無しになってしまう。










そう思ってたんだな。










「お前の成績ぐらい俺だって両親から聞いてたさ。
学年で5番以内にいたんだってな。
すごいじゃないかぁ!!」









先生はがっはっは、という感じで笑いながら俺の肩をばしばし叩く。










「先生も大袈裟だなぁ。
診察終わったんなら帰るよ俺」










「おう、気を付けて帰れよ」










そして俺は診察室から出た。
エレベーターに向かって歩いている途中、窓から小樽港が見えた。










『帰りに海でも見て帰ろうかな』










病院を出て俺は小樽市街に向かって歩を進めていた。










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