A Time Limit
行きの列車は一人で外を眺めていた。
俺は怖かったんだ。
これから始まる検査で、病気が発症していて余命何年て聞かされるんじゃないかって。
だけど今は………
帰りは違う。
隣に杏里ちゃんがいる。どうしてだろう……
今まで一緒にいたわけじゃないのに、安心感がある。
彼女の優しさかな……?
俺はなんだか温かい気持ちになって、列車を降りてから「またね」としか言えなかったんだ。
それでも彼女はにこりと笑い、手を振ってくれた。
連絡先……
聞けたけど、しばらくは連絡できそうにないな。
だってあまりにも君が可愛すぎて、俺の目の裏に焼き付いて離れないから。
しばらくは今日の日を毎日思い出しては照れてしまうだろう。
我ながら恥ずかしい。
今日しかゆっくり話す機会がなかったけれど……
なぜだか俺は一生杏里ちゃんを好きでいる自信が生まれた。