A Time Limit
ついさっきドーナツを食べたばかりにも関わらずパンケーキをおいしそうに頬張る私たち。
食べたいときに食べる。
女子高生は食欲旺盛なんですぅー。
よく噛んで食べればそんな太らないよ!…多分。
「だけど同じカフェに来たからって千里くんに会うとは限らないよぉ」
とか言いつつも千里くんに会えることを期待してドキドキしちゃってる私。
「いやまぁ、そうだけどさぁ……」
急に真子の動きが止まった。
それと同時にいったん言葉を切った。
「ねぇ杏里……
千里くんて髪の色、真っ黒くなくてちょっと茶色がかったような色だった?」
私は「えーっと…」と思い出す。
………………………。
あれ。
どんな色だったっけ…?
や、でもたしか真っ黒ではなかった…はず。
「うん、そんな感じだったよ」
私が言うと、真子は手に持っていたパンケーキを落とした。
「え、ちょっと何落としてるの~。
真子しっかり~」
私のこのおどけた言葉にも何の反応も示さない真子。
「真子?」
真子はどうやら私の頭の上を見ているようなので、私は上を見上げようと首の角度を変えた。
―ふわっ
…ハンカチ?