A Time Limit




いきなり顔の上にハンカチが落ちてきた。
ほのかにいい匂いもする。









私がハンカチをよけようとハンカチに手を添えると、聞き覚えのある声が降ってきた。









「だぁ~れだっ?」









―ドキッ








この声……考えなくたってわかるよ。











「千里くん、でしょ?」









その瞬間、顔の上に乗っていたハンカチが取り除かれた。










「せーいかーい♪」









私の視界には満面の笑みを浮かべる千里くんの顔。








思わずドキッとしちゃった。









「ね、ねぇ千里くん!
私これから用事あるんだけど時間あるなら杏里とお茶でもしてくれないかな?」









私が千里くんの笑顔に見取れていると真子がたじたじ気味で言った。









「ん…いいよ。
どうせ俺、暇だし。
気を付けてね、湯川さん♪」









『あれ…今……』








真子に目をやると、こちらを見てピースサインを送っているのであぁ、わざとだったんだ…って思った。
まだ私、千里くんのこと好きって言ってないのにね。











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