A Time Limit
あ、そっか。
告られて……うん、みたいな。
でもこれじゃ私、もろ受け身じゃん!
受動態やん!!
…なんか喋り方もおかしくなってきたし……。
で、えーと……
相手が私のことを好きだから告白してくれて付き合った。
じゃあ私は?
その人たちを好きになった?
……好きに……なってないよ………
私、付き合ったことはあるのに初恋をしたことはないんだ…………
初恋………
好き………
そのとき、突然頭の中に千里くんの顔が出てきた。
『千里くん………』
私、千里くんを想うとドキドキする。
ねぇ、これが恋かな?
“好き”っていう気持ちなのかな?
胸がドキドキうるさいのは千里くんを想っているからかな?
私………
多分、いや、きっと………
千里くんが好きだ。
「…千里くん………」
私は小さく千里くんの名前を呟いてみた。
―ドキドキドキドキ