A Time Limit
ちゃんと話せてるかなって思ってうしろを振り返ると……
ほら。
『上手くいってんじゃん』
カズさんを見上げて照れ笑いをするユウとユウの頭を優しく撫でているカズさんが目に映った。
『ふふ…やっぱお似合いだわ』
私は少し、心を弾ませながら今日の活動場所へと足を進めた。
はず。
だけど、辿り着いた先は真子と話すときによく来る大学の休憩室。
『…ま、いっかぁ』
そう思って窓際の椅子に座り、壁に寄りかかった。
『ナチ…元気かな…』
そんなことを考えていたとき、ふいに肩を叩かれた。
一瞬、ナチか真子かと思ったけど違った。
や、ナチなはずないんだけどね。
学校違う………はずだし。
叩き主はお茶会サークルのワタル。
「杏里何してる?
ってか大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込むワタル。
こいつも悪い奴ではない…とは思うんだけど、なんたって知り合ってまだ日が浅い。
だからうかつにあらゆる心の内をペラペラと喋るなんてことは…絶対に……できない。