A Time Limit
以前、真子に学食でナチの愚痴を言っていたことがあった。
たしかそのとき………
―――――――――
「で、どうなの最近?」
真子がにやけながら聞いてきた。
「んぇ?
なんのこと?」
「まったまた~。
ナっチーのことだよ」
ナっチーって……。
私は少し、呆れ気味に真子に答えた。
「別になにもないけど」
「嘘っ!?
あれから本ッ当になんにもないの!?」
「うん、本ッ当になんにもないよ」
「だーもーぅ
早く付き合っちゃえばいいのに…」
「ふぇ!?」
いやに敏感に反応してしまった私を真子はさらにニヤニヤしながら見つめる。
「べっ別に……ナチと付き合えなくたっていいもん」
「へぇ~」
なんだか真子の顔を見ていたら後味悪くなってついつい言っちゃったんだ。
「てか彼氏なんていらないもんっ」
「いや、ごめんね杏里。
別にわざとからかったわけじゃないの。
杏里は杏里らしく、マイペースにナっチーと距離縮めなね?」