A Time Limit

歴代の彼女たち





杏里と俺の鼻先が掠った事件の夜、俺は中学生の頃を思い出していた。










『あの時の始まりは掠ったことだったんだよな。
あいつ……そんなこと言ってたなぁ』











――――――――――



中2の時、俺ははっきり言って学年の奴らの憧れの存在ってやつだった。








まぁ成績は上の中っていう微妙なとこだったけど。









たしかあれは夏。









なぜかあの日は廊下を水で湿らせたモップ掛けしようっていう清掃だった。









今時そんなことするなよって、今なら言いたい。








そして、水でてかてかになって明らかに濡れているだろうことがわかるはずなのに、そこを一人の女子が歩いて来た。










髪はロングでふわふわパーマ




目はぱっちりで大きめ




一言で言うならばお人形。







そんな彼女が歩きながらチラッと俺のことを視界に入れた途端…………













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