あげは蝶
それにしても周りがどうにも派手すぎる。
そんな高校だっけ?
学校案内を見ても
学校のHPを見ても清楚で
清く麗しいイメージを受ける。
このクラスがたまたま派手なコが集まっただけ…?
「おはよう!」
「おはよ〜…」
急におはよう!と声をかけられて
考え事をしていたあたしは即テキトーな返事をしてしまった。……あとに
「おおおおおおはよう!?あ……おはよ…う。」
中学のときはおはようなんて言われなかった…。
ふるふると挨拶の良さを
かみしめながらもう一度
「お、おはよう!」
と叫んだ。
そのこは二度もおはようとか変なの!と笑った。
「あのさ!名前、なんてゆーの?隣の席だし自己紹介しちゃうぞー!」
とっても気さくなコみたい。
「あ、あたしは笹村!笹村あげはっていうの!」
「まじで?!かっわいー名前〜!てかもっとイケイケなコかと思ったのに案外静かちゃんなんだね!」
あ……あたしはもう
中学の頃のあげは、じゃないんだから。
しっかりしなくちゃ…。
「そ……そぉっかなあ?ごめん、慣れない環境だとやっぱ緊張しちゃう〜!そっちはなんていうの?」
「そか!やっぱそうだよね!あたし?あたしは、楠木しま!へへ、変な名前っしょ?みんなからはしーちゃんとかしまって呼ばれてるの。しまって呼んでね。あげはって呼んでいい?」
「しま…ちゃん……。あっ、あたしはあげはで全然いいよっ。」
楠木しまちゃん…かあ。
初めてできた、あたしの友達。
こんなあたしが、呼び捨てなんていいのかな。
馴れ馴れしくないかな。
上から目線になっちゃ困るな。
「わかったよ…。しまって呼ぶね!」
色々思い巡らしながら弱々しく答えた。
「ねえ。誕生日いつ?」
しまはにこやかに聞く。
「あ…10月2日だよっ。し……しまは?」
やっぱり呼び捨てとか慣れないよう〜!!!
「あたしは〜、8月4日だよん♪……!どっちも足したら12だねえ!」
「え……?どゆこと?」
「だーかーらー!あげはは10+2=12!あたしは8+4=12!すごくない?運命〜☆」