あげは蝶

ビニール傘の恋



季節は夏。
みんな彼氏やなんやと色めいている。



とゆーか今日から新学期。

どうやら新入生がやってくるとかこないとか。

しまは早速リサーチしてあたしに教えてくれた。


夏とはいえど、あんまり彼氏とゆーものに興味が沸かない。

…ほんとにあたし女?



しまにはとっくに彼氏がいて。

あたしを知り合いに紹介しようとかしたけど、興味がないもんはしょーがない。





「…げはーっ!あーげはっ?ちょっとお。もう、あげは?」

ハッと我にかえる。


「あ…ああ。しま、ごめん。考え事してた…。」

「そぉ?それならいんだけどぉっ。んでね!ちょっとお願い事があるんだ!」

しまはニコッと首を傾げていかにもおねだりモード。

「んー…?あ!わかったー。宿題とかでしょっ!」

「んーん!違うの。」

「え?何々?」

「あの……ね!」

しまは恥ずかしそうに顔を赤らめて上目遣いであたしを見上げる。


「ん?」

「き…今日、新入生来るじゃん……?」

「う…ん?」

「だからあ…っ、その……!」

「なによー?」

「……っ!新入生の木梨成人くんとあたしをくっつけてほしいのっ!!」


しまは言ったぞ、と言わんばかりに相変わらず顔を赤らめながらこっちを見た。


「は……はあ!?えっしま…。彼氏いるじゃん…!」

「もぉあんなヘボ男子キョーミないのぉっ!デート代奢ってくれるし金持ちだからつき合ってるだけであって……。元カレがヨリ戻したいってデート中に迫ってきても全く守ってくれなくってぇ…。だーかーら!…ね?」




こ、怖い……。
怖いよ、しま。
怖いよ、女って!




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