あげは蝶
みんなが爆笑してるなか、しまをチラリと見てみた。
びっくりした。
しまがスネたような睨むような顔で自分の爪をいじっている。
あ……しま、あーゆーコ苦手なの…かな?
「……あ…しま…。」
頑張ってる気に障らないように慎重に話し掛けた。
でもしまは途端に表情をコロリと変えてしまって。
「なーにー?」
なんて笑顔でいう。
「あ…いやー……ほ、星さんてさーっ、スゴイ…ね!なんか……っ。」
しまの笑顔が一瞬滞った。
ふ、と。
「あー……。かもねー…。あげはってあーゆーコ、好むタイプなのかあー……。…ふうん。」
しまはまたさっきみたいな表情に戻ってしまった。
コレ、謝ったほうが…イイ感じなのかなあ?
悪いことはしてなくても謝ることなんか、中学の頃散々してきた。
罪着せられるのも、存在を否定されても、とりあえず、"ごめんなさい"と。
楽なはずじゃん。
いつものアレ、やればいんだよ?
何を迷う必要があるの?
しまには、軽々しくごめん、なんて言いたくない。