ちっちゃなボク。
「私、実は留学するんだ」
「え......??」
「ホントは近くの大学に
行く予定だったんだけど、
急遽短期留学することになったの」
マジで......??
「まぁ、それとこれとは関係ないよね...」
センパイが少し気まずそう。
せっかくの卒業式なのに......
やっぱり告白なんてしなきゃよかった。
「ありがとう」
「えっ??」
「好きになってくれてありがとう。」
「センパイ...」
「智章のまっすぐなトコ、大好きだよ!!
バスケ、応援してるから」
「...センパイ」
「頑張って!!」
そう言って、センパイは俺の肩を叩いた。
俺の淡い恋はあっという間に終わったけど、
俺に夢中で頑張ることの楽しさを
教えてくれたような気がする。
「センパイも。お元気で」
遠ざかるセンパイの
綺麗な姿に、
少し視界がぼやけたけれど
大きく大きく手を振った。
END