双子☆Love Another Story
「じゃあ、あのイタリアンのお店にしよっか。」
僕は、パッと目に入った店を指差して言った。
「はい!私、パスタ好きです!」
「そう?それはよかった。」
僕は近くにいるであろう佑樹にメールをするために、携帯を出した。
「ちょっとごめんね。」
「はい。」
店の前で、洋子ちゃんは見本のディスプレイに目を輝かせている。
『映画館の近くのイタリアンレストラン』
それだけをメールに書いて、佑樹に送った。
「お待たせ。入ろっか。」
「はい!」
……洋子ちゃんは、きっとすごく僕のことを好きなんだろうなって思う。
……人を好きになると、女の子は可愛くなる。
梨香がそうだった。
でも、きっと今の僕に洋子ちゃんが可愛く映るのは、それだけじゃないだろうな。