双子☆Love Another Story
「私、ナスとキノコのミートソースで。」
「じゃあ、僕はペペロンチーノを。」
僕は、きっとすごく残酷な人間なんだろうなって思う。
……多分、彼女はそんなこと、ちっとも思ってないだろうけど。
「あの、先輩。」
「あ、うん、どうした?」
急に話しかけられたので、少し戸惑ってしまった。
「今日は付き合ってくれてありがとうございました。」
「そんな……僕も何だかんだで楽しかったし。」
僕がそう言うと、彼女は今日一番の笑顔をみせた。
「……あの、先輩。」
「ん?」
「私……」
「お待たせいたしました。ナスとキノコのミートソーススパゲッティとペペロンチーノです。」
洋子ちゃんが何かを言いかけたとき、丁度パスタが運ばれてきた。
「何?」
「……いえ、また後にします。とりあえず食べましょ?」
僕は、少しホッとしたような気がしていた。