双子☆Love Another Story


「早かったね。」




戻ると、梨香がそう言い、優介は何も言わずに不安そうな表情で俺を見ていた。




「あぁ。なぁ、梨香。腹減った。昼飯食いに行こう。」




「ちょっと……」




梨香は戸惑っているみたいだ。




「……ねぇ、佑樹。どうだったの?」




ようやく優介が口を開いた。




「自分で確かめてみろよ。」




俺は微笑みながらそう言い、梨香の手を引いてその場をあとにした。






「ねぇ、佑樹。どうだったの?」




梨香は、店から離れるとまずそう聞いてきた。




「大丈夫だよ。一発で見抜いたし。今度はダブルデートできるんじゃね?」




俺がそう言うと、梨香は笑った。




「髪、染め直さないと。」




「今度は青とかどう?」




「梨香が言うなら……」




「冗談だよ!」




……幸せだと思った。




優介、よかったな。


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