からっぽの恋
「離して…
いい加減にして…」

ホテルに泊まって

部屋探しを始めた私。

初日で良い部屋が

見つかったので

夜の感じも確かめたくて

来たんだけど…



よりによって痴漢に

捕まるなんて…



力も脚の速さも敵わない

このままじゃ…





疲れてきて、抵抗力も

落ちてきたとき…






「止めな。」



別の男の声が聞こえた。


痴漢の向こう側に人影が見える。

それを確認するなり

私を押し倒して

痴漢の男は一目散に

逃げていった。





助かった…


倒れ込んだまま息を整える。
< 10 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop