からっぽの恋
カーテンの隙間から

外を覗く。

見渡す限りマンションや

ビルがそびえ立つ。


北海道には無い光景。

自分がこれから住む場所。

同じ日本なのに

全くの別世界。





「怖い?」








何が?

高さ?

場所?

これからの事?




耳元に響く声は

低く、心地よかった。






「別に…」


心を見透かされた様だったが

平然を装って答えた。



気がつけば

彼は起きていて

私の後ろから覆い被さる様に

立っていた。
< 15 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop