からっぽの恋
「おはよう。」


「おはようございます。」


「敬語はいい。何か飲む?」


「お願いします。」


「違う……」


「……お願い。」


「OK」





彼が私から離れ

台所へと向かう。


「あっ、オレ……
タバコ吸うけど大丈夫?」

「平気。」


「じゃ、遠慮なく。」


彼はタバコをくわえて

お湯を沸かす。

ソファーで待つよう言われたが

カーテンを開け

外の景色を眺めていた。





「気に入った?」


コーヒーを入れて

彼がソファーへ座る。

私が向かえに座ると

彼が隣を指差すので

隣に座った。


昨日は暗くてわからなかったが

金色の髪が

朝日で光輝く。



「好き……かな。」


高い所は好きみたいだ。

悪い光景じゃない。



コーヒーを飲み

カップから口を離すと








「じゃ……オレは?」










言ってる意味が解らなかった。

彼の方を向くと

真剣な表情で

彼の言った意味を考えているうちに










唇を奪われた














ファーストキスだったけど














そんな余韻に浸る

私じゃなかった。
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