からっぽの恋
春にお世話になる様になったのは

綺羅と同居して

半年ぐらいたってから。



毎週金曜日。

綺羅は部屋に女の人を連れてくる。

私と暮らすから

止めたらしいけど

半年ほどで復活した。


これも仕事の一つらしい。

金曜日は他の女と

朝まで過ごす…

何をしてるのかも知ってる。



綺羅は親友だと言って

真っ先に春を紹介してくれた。

最初、春は凄く驚いていたけど

温かく迎えてくれた。


お兄さんって…

こんな感じなのかなぁと

思った。




そんな春に

綺羅は毎週金曜日

私を泊めるのを頼んだ。

他にも必要があれば

春に頼む。




最初頼んだとき

春は呆れていた。


私も呆れてた。

いくらなんでも

非常識だろう。


でも、他に頼む人もいないし

野宿も嫌だ。


私が頭を下げたら

春は寂しそうな笑顔で

受け入れてくれた。
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