からっぽの恋
綺羅が一目惚れしたのも解る。


真っ直ぐ腰まで伸びた黒髪。

くりっとした瞳。

年のわりに落ち着いた仕草。

ふと、大人の雰囲気を

漂わせる…



小鳥の様な声で


僕を求めて欲しくて

二人の時は


本名を呼ばせるようにした。






僕は…綺羅より先を行く。














綺羅がこの二年

ちいに手を出さなかったのは

意外だった。


キスから先は進んでいない。


出さなかったと言うより

出せなかったらしい…



酔った勢いで

ふと、もらしたことがあった。








でも、それは僕も同じだった。

ちいは僕を兄の様に

思っている節がある。

最初に、そう仕向けたから。


その関係が崩れるのは

怖かった。





大人二人がこのザマだ。

笑ってしまう。













でも
















もう限界だ。
















思いは募るばかり















綺羅が動かないなら




















僕が動くよ?
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