からっぽの恋
「話を…」


「何度も同じこと
言わせるんじゃねぇ!」


「綺羅っ!」














気がつくと















私は床に背を付け













目の前には

私の胸元を掴み

殴ろうとしている綺羅の姿。


それを必死に押さえる春。











どうしてこうなったの?














私は真っ直ぐ綺羅を見つめた。












「綺羅、落ち着いて。
やり過ぎだよ。」


「じゃ、代わりにお前が
殴られるか?」


綺羅の怒りは収まらない。
本当に春に殴りかかりそうな

勢いだった…












「ごめんなさい…
もう……言わないから。」












私は小さく呟く。















綺羅は拳を下ろして













そのまま部屋を出ていった。
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