からっぽの恋
何かの感触で、目が覚めた。


目の前には綺羅がいる。













あぁ…



キスされてたんだ…






「おっ…おはよう。」


「おは…よう?」


私はまだ、寝ぼけていた。

「悪りぃ…もう、行かないと。」





何処に?



仕事か…





「行ってらっしゃい。」


私はゆっくり起き上がった。


「行ってくる。寝るんだったら
ちゃんとベッドで寝ろよ?」


「うん。」













玄関のドアの音が聞こえた。

綺羅は仕事に行ったんだ。


何か…










顔が赤かったような……











気のせいかな?





私は自分の部屋に行き

ベッドに倒れこんだ。

今日は何だか疲れた…













そう言えば

綺羅にキスされたのは

久しぶりだった……











何とも思わなかった…














ただ、無性に














春に会いたいと思った…














何で?












考えると苦しくなるから

寝ることにした。
< 64 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop